リーダーたちの部屋 東京版

皆さんこんにちは。リーダーたちの部屋 進行役、わくわく不動産の倉沢です。 第3回目となる今回は株式会社湯佐和 代表取締役社長でもあり、「ある日突然40億円の借金を背負う―それでも人生はなんとかなる。」の筆者でもある湯澤剛社長にお越し頂きました 。

(インタビュー:2016年2月4日)

株式会社 湯佐和 代表取締役
湯澤 剛 (tsuyoshi yuzawa)

大きな目標を立てる時は期限は必ず決めて取り組む

倉沢 今日はお忙しいなか、本当に有難う御座います。 本を読まさせて頂きましたが、本当に感銘を受けました。 お会いしたかったんですよー。

湯澤 ありがとうございます(笑)

倉沢 40億の借金って・・想像さえ難しい額だと思うんですけど、返済したんですよね??

湯澤 はい。返済しましたよ。

倉沢 何故借金を背負ったのか??どうやって返済したのか??など、具体的な事は本のネタばれになってしまうと思いますので、触れずに置きますが(笑)、私が凄い印象に残っている部分は5年間勝負するとご決心された事なのですが、5年間と期間を定めた理由は何だったのですか??

湯澤 お心遣いありがとうございます(笑)もともと借金の全ての原因は、土地建物を亡くなった父が買ったからなんですが、地元の信金から28億、メガバンクから12億の計40億の借金が発覚したんですね。40億の借金を返済するとしたら、まずはいくつかの店を畳んで所有物件を全て売ったら15億円くらいになる。それを精算にあてるとして、残り25億円。また、当時年商は20億円ありましたので、経常利益と減価償却費の返済原資5000万で計算すると、完済までにかかる年月は80年かかる事になるんです。

倉沢 40億も想像出来ないですけど、80年間返済をし続けなければならないというのも全く想像出来ないです。そもそも寿命が・・。

湯澤 そう、そうなんです。企業としても人生としても終わりですよね(笑)40億とか80年とかまともに考えると、心が折れて1歩が踏み出せなかったんです。 だから5年の期限を作ってその間だけ必死にやろうと決めたんですね。 5年やってダメだったらしょうがないかーって。

倉沢 なるほどですね。でもその5年の大勝負に勝算はあったんですか??

湯澤 いや、勝算云々の計算より、もう「やるしかない!!」って思いだけでしたね。この5年間はどんなに辛くても、屈辱的な事があっても、仮に借金が更に増えようと、何があっても会社を継続する事だけに専念しようと考えてましたから。

倉沢 私、湯澤社長の本を読ませて頂いて、その当時のご苦労が痛々しいくらい伝わってきて、本当に感情移入しながら読んでしまったんですね。 当然、本に書かれてないご苦労もあったと思うんですが、毎日どんな心境で過ごされていたんですか??

湯澤 借金40億円って、1日105万円払う計算なんですね。 たまに休んだりするじゃないですか。でも「この休んでいる間も105万払わないといけないんだなー」って休めない・・日々お金の事しか頭になくて、少しおかしい状態でした。なので、借金さえなくなれば人生はバラ色になるはずだから、「借金」なんて何てことないって思ってましたけど・・実際はそうでもなかったですけどね・・(笑)とにかく心を折らないように集中するために、5年間の期間を設けましたけど、期間を決めないともたなかったな。

倉沢 確かに。期間を決める部分では私もわかります!! 他のビジネスでもあるとは思うんですが、目標が高すぎて結果が見えなくなると、疑問が出てくるんですよね。「自分が間違ってるんじゃないか」って・・ これが良くないと思うんです。先が見えない事って、自分の意思がぶれてしまうじゃないですか。それがキツイ事や苦労になると投げ出したくなりますよね?? なので、私も何か大きな目標を立てる時は期限は必ず決めて取り組む様にしています。

湯澤 同感です!!大企業は、将来や今のビジネスにない事をやる部署があるんですよね。でも、中小企業は自分でやらなければならないんですよ。中小企業の特徴なんですが、目の前の事で手いっぱいですよね。問題を1つずつ解決していっても、もぐら叩きなだけなんですよ。それが繰り返されると、正しい、悪いだけでなく、進んでいるのかさえも見えなくなる。そうなると難しくなりますよね。

倉沢 そうなんです。毎日毎日手いっぱいになりますよね。社長はその部分で何か工夫されている事とかあるんですか??

湯澤 時間と場所を分けて仕事をしています。何時から何時までは通常業務、何時から何時までは場所を変えて、将来の計画を立てようとか、問題に対する根本的な仕組みを作ろうとか、徹底して分けています。

倉沢 場所も変えてですか??かなり徹底してますね。

湯澤 そうでないとすぐ通常業務に追われて、他の事が考えられなくなってしまうので・・。

倉沢 凄い理解出来ます!時間と場所を変えた仕事、私も試してみます(笑)

湯澤 是非、試してみて下さい(笑)

感謝の眼鏡をかける

倉沢 今日、湯澤社長にお伺いしたい事の一つとして、社員との「人間関係」について是非伺いたいと思ってたんです。 また本の話になってしまうのですが、かなりご苦労されてましたよね。

湯澤 一番苦労した事かもしれませんね。当時からのうちの強みは技術者(板前の方)がいるので、他社では中々やりづらい刺身などでも臨機応変に対応ができるのが強みなんですね。ただ、この技術者がいることが労務管理面でのマイナスがあって、例えば問題を起こしたり、チームワークを乱したりします。でも辞めさすに辞めさせられないんです。最初は酷かったですよ。お客様がいるのに厨房でタバコ吸ってたり、営業時間にマージャンをやっていたり、こちらで考えられる常識が全く通じなかったですからね。

倉沢 信じられないです。怒るレベルの話ではないですよね。

湯澤 大激怒ですよ。でも、そこまで怒れない・・怒ったら辞めてしまいますからね。板前って「自分の腕1本で稼いできた」って感じの人が多いので、「気に食わないから辞める」って、簡単に辞められちゃうんですね。 これが集団でやられてしまうと、もう、目もあてられない・じゃあ、それを嫌がってアルバイトでも出来るオペレーションにしてしまうと、他店に勝てなくなってしまう。当時は何せ40億の借金を抱えてましたからね。利益を上げる為には仕方がないって、怒りはしましたけど常に「辞められたらどうしょう」って恐怖と闘ってましたね。

倉沢 え!集団で辞めるなんて事あったんですか??

湯澤 何度かありますね。テナントビルの管理人から電話あったりするんです。「今日はお店休みですか?」って。

倉沢 いや、もう本当に悔しいですね。想像するだけで自分の事のようにイライラします!!でも、店を経営する為にはしょうがないのかな・・いや、でも自分でしたら絶対にキレてしまうと思いますね。

湯澤 毎日がもの凄いストレスでしたから(笑)借金さえなければ・・何度思った事か(笑)

倉沢 でも、何かがきっかけで社員の皆さんが変わって行くんですよね??

湯澤 いや、社員がというよりも私自身が色々気付く事が多くて・・そこからですかね。

倉沢 社長の気付きですか??凄く聞きたいです!!

湯澤 お店の方は、色々工夫したり方向転換をしたりして、少しずつ良くなって来たんですが、相変わらず人の問題だけは悩む事が多くて・・「なんで、こんな事するのか?」「もう、許さない」と思うようなこともしょっちゅうで・・心も折れてるからどんどんおかしくなったりもして。でも、あるとき気付いたんですよね「自分に原因があるんじゃないか?」って。

倉沢 それだけの事をされてもそんな風に思えるんですか??

湯澤 やっぱり腹が立つし、悔しさもありますけど・・ただ、その出来事だけを責めたりしても何の解決にもならない。 でも、「この問題は自分がもっとコミニュケーションを取っていれば、こんな事にならなかった」って、まずは自分の責任と捉えて取り組んで行くと、解決策も見えて来るんですよね。

倉沢 (頷く)

湯澤 そういった経験からですけど、いつもやっているのが、感謝の眼鏡をかける事です。もし、社員が問題を起こしたりしたとします。でも、「その人がいて助かった事もあるなー」って思い出したりすると、結構感情を抑える事が出来るんですよね。そうなると解決策も見えてくる。 今では、その人の良いところを見つけるのが癖になってますね。全然ない人もいるんですけど(笑)

倉沢 それでも無理やり見つけるんですね(笑)

湯澤 そうですね。見つけます!!

倉沢 (しみじみ)凄いな・・ 。

湯澤 逆に倉沢社長は社員に対して心掛けている事って何ですか??

倉沢 正直、私も社員との人間関係では色々失敗しておりまして・・昔は厳しくしすぎて・・(会社に)来なくなったりしたとかも何度かあったんですよね。

湯澤 倉沢社長厳しそうだもんね(笑)

倉沢 はい、見た通りなんですが・・ただ、そういう事が続くと、やはり厳しい事が言えなくなりますよね。なので、まずは何が正しいかを行動で見せるようにしてます。まぁ、自分がプレイヤーとしても動いているから出来るというのもあるんですが・・ 。

湯澤 それは素晴らしいですね。やはり社員から信頼を得る為には「結果」を出す事が大切ですからね。うちで言えば、今は真面目にやればちゃんとお客様に支持されるようになるという業態になっているので、半分くらいの人が変わってくれましたね。今までの様な気ままなやり方が出来なくなって辞める従業員もいましたが・・結果が出るとそれが自信に繋がりますし、やり方がわかると結果に向かって頑張りますよね。

倉沢 でも、やっぱりわたしはまだ、許せない気持ちが大きく出でしまう時があって・・ 。

湯澤 そういう時はどうされます??

倉沢 いつも出社したら、掃除と筋トレから始めるんですけど、怒りとか負の感情が強い時はいつもより多めに運動をしますね。

湯澤 出社してからするんですか?(笑)

倉沢 しますよ!スクワットとか。(笑)スッキリするんです。あと、湯澤社長などの経営者の方の話をYou Tubeで朝2時間くらい見たり・・。

湯澤 そうなんです。いかに自分の感情をどうやって制御するかが重要になってくるんですよねー。

倉沢 社長のストレス発散方法は何ですか?

湯澤 スポーツですね。前は家に筋トレマシーンがありました。体を動かすことはいいですよね。

倉沢 同じだ(笑)運動、いいですよねー。でも、いかがですか?湯澤社長がそれだけの気付きをされ、色々な部分を心がけられているので5年間の勝負の時に比べて社員の皆さん変わられたんじゃないですか?

湯澤 確実にレベルはあがってます!!ただ、人材の問題に関してはまだまだ課題だらけです。

倉沢 まだまだ・・ですか?

湯澤 まだまだですねー。例えば、今まででの事を例に出すと、即戦力の流れ者の板前を採用し、特に教育もしないので問題を起こすわけですよ。怒ったり諭したり、話をしたり、後始末をしたりしますが、辞めさせても結局また入ってくる板前は同じような人だけなんですね。その人はたまたまと言えばそれまでなんですが、本当にやらなければならないのは、その問題に対処しながら、もう一方で教育方法の仕組みを作ることをやらなければならないんですね。ただ、この両方をやらなければならないのはきわめて難しいですけど。

倉沢 なるほど・・人材とか、社員との関係って答えのない永遠のテーマなんでしょうね。改めて思いました。

湯澤 借金がなくなっても人間関係がなくなるわけではないので。もう、そこはビジネスと一緒ですよね(笑)

倉沢 凄く勉強になります。“感謝の眼鏡”ですか・・私も試してみます。

やっぱり、お客様に感謝されることが一番

倉沢 次にビジネスについて色々お話を伺いたいと思うんですが、湯澤社長がご経営されているお店のターゲットって「中高年」の方々がターゲットなんですよね?珍しいなーと感じたんですが、何故「中高年」をターゲットにされたんですか?

湯澤 本当の事を言うと女性をターゲットにしたお店を出したかったんです。女性をターゲットにした個室型の居酒屋がちょうど流行っていた頃です。BARとかもそうですし、お洒落なお店が多かった時期。そんなお店を出したかったんですけど、内装にかけるだけのお金がなかったんですよ(笑)

倉沢 女性をターゲットにすると拘らないといけない箇所が多すぎて、お金がかかりそうですからね。

湯澤 お洒落なお店を諦めて、調査したり考えているうちに気付いたのが、意外と中高年をターゲットにしたお店って少ないんですよね。思い当たるのは大手チェーン店くらいですかね。

倉沢 それで敵があまりいないターゲット層にしぼって展開したんですね。

湯澤 そうです。でも、今考えると女性ターゲットを諦めたのが正解だったんですね。よく女性が入らないお店はだめだって言いますけど、女性はハードルが高い。良く気の付く方が多いですから、ちょっとのミスでも気になる方が多くて、それを指摘されてしまうと 「あれもこれも」になっていますよね。「あれもこれも」ではその時のうちではどう考えても対応出来なかったので、店がぶれてしまってたでしょうね。

倉沢 (頷きながら)わかります。

湯澤 もともと、うちの強みって海産物で、その日の朝とれた魚を夜からオープンのお店で出せる事が出来るようになってましたし、しかも直接仕入れをしているので安くご提供も出来たんですね。時には形もバラバラで調理しづらい魚が来る事もあります。そんな時でも技術者がいるので対応出来るんですよ。そこを強みとして捉えた時、「あれもこれも」が必要な女性ターゲットでは無かったんだなって。

倉沢 「安くて旨い」を狙いに行ったんですね。

湯澤 そうです。安くて旨くて、女性も安心して食事が出来るお店ですね(笑)ビジネスでうまくいかないのは、「あれもこれも」なんですよ。あのままブームを狙って「あれもこれも」をやっていたら、今は無かったかもしれませんね。

湯澤 同じような観点で不動産会社はいっぱいありますが、御社の特徴、他の不動産会社との違いっていうのはどんなところですか?

倉沢 明らかに、他の不動産会社とは違うところは、リピートのお客様が多い事ですかね。多くの不動産会社の営業はとにかく早く契約をする事を考えられている所が多いのですが、私達は部屋が決まったその先の生活までを考えてご提案をしたり、引っ越しまでのサポートを行ったりしているので、お客様と接する時間が長いんですね。その甲斐もあってか、また次に部屋を借りる時もご相談に来て頂ける率が高いです。あと、ご紹介が多いのも自信ですね。

湯澤 それは素晴らしいですね。結局不動産会社ってどこで借りても金額は同じじゃないですか?そうなると営業の質や+αを求めますよね。

倉沢 どんな+αを求めますか?

湯澤 大家さんとのトラブルの間に入ってほしい(笑)今後、多店舗展開とか考えられてるんですか?

倉沢 本音を言えば、考えてるんですけど・・自分の成長が追いつかないんです。

湯澤 そうですよね。拡大するなら覚悟きめて進むしかないですよね。

倉沢 自分が売上を作れるシステムを考えて、働く女性たちに支援していく事を本当はやりたいんですけどね。ちょっと迷っているところです。

湯澤 でも、他には真似出来ない強みがあるんですから自信を持たれた方がいいんじゃないんですか??

倉沢 ありがとうございます。そう言って頂けると心強いです!! 最後に2つ程ご質問いいでしょうか?

湯澤 どうぞ。

倉沢 もう一度生まれ変わっても、あの5年間を経験したいですか?

湯澤 絶対経験したくない!(笑)でも、中小企業の経営者は悪くないって思いました。40億の借金はもう、絶対嫌ですけどね。

倉沢 飲食店はもともと好きだったんですか?

湯澤 今は好きですけど、昔は全然でしたね。

倉沢 飲食店の醍醐味はなんですか?

湯澤 やっぱり、お客様に感謝されることが一番ですね。お客様が足を運んできてくれて「ありがとう。美味しかったよ」「また、来るよ」など言っていただけるのは、願ってもないビジネスだと思いました。ただ、長時間労働だったり、クレームが多かったり色んなことがありますが。あとは、お金の回収がないでしょ?ビジネスのなかでも嫌な仕事ですよね。わざわざ、お客様が足を運んできてくれて、感謝して下さる。信じられないなと思いますよ。その分、人の管理が大変ですけどね。

倉沢 悩まれている経営者などに向けてメッセージをお願いします。

湯澤 諦めなければ、間違いなく道は開けます。この事だけは間違いなく自分の言葉で言えます。 仮に大きな困難に出会ったとしたら、道の開け方として違うかもしれないですが悲観しなくても自分の望む人生は取り戻せると強く思います。

倉沢 湯澤社長の詳しい事は、ぜひ本を読んでいただいきたいです!今日は本当にありがとうございました。

湯澤 ありがとうございました。

対談を終えて

この映像・情報は 2016年2月 当時のものです

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倉沢 涼子

倉沢 涼子 Ryoko Kurasawa

1974年8月22日生まれ
群馬県昭和村出身
現・世田谷区 千歳船橋在住 ・わくわく世田谷不動産 代表取締役
・千歳船橋参商会 副理事長(理事会2期目)
・地域密着ビジネスコンサルタント(ロゴ商標登録済)
・NLPプラクティショナー 受講生
わくわく感と安心感のある不動産取引 で取材実績、TV出演実績多数あり。世田谷の不動産エージェントとして 活躍中!

  • 倉沢流 風水不動産
    社長であり心理カウンセラーでもある倉沢涼子が風水の考えに基き、数千件におよぶ取引実績から皆様のご要望に最適な物件をご提供しております。
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