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日本のシュリーマン、実業家、天野芳太郎の生涯

2016.7.10
ビジネスアイデア モチベーション 成功事例 成功哲学

実業界で成功し、その後、トロイの遺跡の発掘で有名になったのがハインリヒ=シュリーマンです。ビジネスの世界と考古学、一見すると相反するもののように思いますが、ビジネスで成功して得た資金を使って、本当にやりたかったことを推進。そして、功績を上げたわけです。

実は日本にも同じように実業界で成功し、その後、考古学の世界で功績をあげた人物がいます。それは、南米アンデス文明の研究家として知られる天野芳太郎です。ここでは、天野芳太郎の生涯をご紹介したいと思います。
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天野芳太郎の生涯

明治31年に秋田県で生まれた天野芳太郎は秋田県立工業学校を出た後、横浜の浅野造船所に就職します。しかし、20代で合資会社神奈川鋳物工場を設立したり、天野商会を立ち上げるなど、若くしてすでに起業家精神を発揮しています。関東大震災の後にはお饅頭屋をやって繁盛させたりしました。

その後、中米パナマに渡り、その地で天野商会を立ち上げ、各種事業を展開します。本来はベネズエラに行く予定だったのが、現地が内戦状態だったためにパナマに行ったのです。パナマを拠点にビジネスを行いますが、それはパナマだけに止まらず、中南米各地にわたるものでした。しかし、第二次大戦が勃発し、アメリカにより逮捕。収容所に送られてしまいます。そして、日本への帰国を余儀なくされるのです。

戦後、再びビジネスをするべく、南米に向かうことを決意。一度目は乗った船が遭難するというアクシデントがありましたが、それにめげずに直ぐに聖川丸という川崎汽船の別の船で南米ペルーを目指します。戦後初めてペルーに行った日本人はこの天野芳太郎なのです。ペルーで事業を再開した天野は見事にそのビジネスを成功させます。

海外への雄飛を夢見て、実行。政治情勢や船の遭難など、いろんなトラブルに見舞われながらも、見事、ビジネス的成功を実現させた天野の生涯はビジネスを始めたいと思っている人に勇気と努力の大切さを教えてくれるでしょう。まさに冒険的な起業家だったと言えます。

アンデス文明の研究へ

さて、天野芳太郎のすごいところは、このビジネスの成功で終わることなく、今度はアンデス文明の研究を始めたところにあります。ペルーには著名な世界遺産であるインカ帝国のマチュピチュ遺跡やナスカの地上絵を始めとした、古代アンデス文明の遺跡が数多く存在しています。その中で天野が注目したのがチャンカイ文化という一地方文化です。

チャンカイ文化はペルー中部の海岸地帯で栄えた古代文化です。独自の土器文化、織物文化で知られていますが、天野がこのチャンカイ文化に出会った当時、本格的にこの文化を研究している人がいなかったこともあり、「よし、自分がやろう」と思ったようです。

特に洗練された他のアンデスの古代文化とは違い、チャンカイの土器、土偶などは素朴さの中に味わいがあるものなので、日本人好みのところがあります。そうした点に魅了され、生涯にわたって天野が研究対象として選んだ理由ではないかと言われています。

天野博物館の設立

天野の研究はペルーの首都リマにある天野博物館に結実します。リマには古代アンデス文明の展示を行っている博物館がたくさんありますが、天野博物館もその一つです。小さいながらも、評価の高い展示が行われています。日本からマチュピチュ観光をメインにしたツアーなどでは、天野博物館見学が盛り込まれることが多く、日本人により展示の解説をしてもらえる点が好評です。

天野芳太郎はこの天野博物館の名誉館長であり、天野の名はこの博物館の名称として名が刻まれています。また、天野はその功績により、ペルー文化功労勲章なども受賞しています。

日本のシュリーマン

こうした天野芳太郎の生涯を見てみると、まさに日本のシュリーマンと言えるのではないでしょうか?現実のシュリーマンは自己喧伝が強く、売名的な側面があったことが知られています。そして、考古学的な面での業績の多くに疑問符が付いていたりします。

それに対して、天野の業績は真摯な研究として知られています。有名な遺跡ではなく、あまり顧みられていなかったチャンカイという無名の遺跡に注目して、コツコツと研究したという点もいかにも日本人らしい感じがします。

さて、これから起業してビジネスを成功させたいと思っている人は、ビジネスに全力投球する必要があるでしょう。ですが、その先にビジネス成功よりも、もっと大きな目標があればモチベーションも上がると思います。そうなると、きっとビジネス成功の確率も高まるはず。

そういう意味では、天野芳太郎のような生き方を参考にしてみると良いのではないでしょうか?例えば「ビジネスで得た利益で美術品を収集、それを公開する美術館を作る!」なんて言うのも良いですよね。実際、成功した実業家にはそうした人たちが多いのがわかります。お金だけ儲けて終わり…というのはちょっと寂しいですよね。

 
(Edited by SP)
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