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反面教師にしたい、つい長いものに巻かれてしまう心理学的な効果

2016.2.17
バンドワゴン効果 ビジネス思考 メンタルヘルス 心理学 認知バイアス

ccc

昔からある格言に「長い物には巻かれろ」という言葉あります。この言葉は、目上の物や権力がある者には逆らわずに従ったほうが得策である、との意味を持ちます。過去の人々の経験則や人間心理として共通することから生まれた言葉なのでしょう。これはビジネスを行う上でも知っておいたほうが良い部分にもなります。

ここで、この格言にも関する、日本人の性質を表した世界中で有名なジョークを紹介します。
それは様々な民族が乗った客船が沈没しそうになって日本人をどのようにして海に飛びこませるか、となったときに、日本人に対しては「みんなはもう海に飛び込んでいますよ」と声をかけるといいといったものです。これは日本人の同調圧力の強さや、集団主義を揶揄したジョークなります。ちなみにアメリカ人には「今飛び込めばあなたは英雄ですよ」と声をかけるのがいいようです。これはアメリカ人が個人主義の性質を持っているでことを意味しています。あくまでジョークになるものの、一考に値する興味深い内容です。

じつは「長い物には巻かれろ」という格言やこのジョークは心理学な観点からも納得がいくものです。私たちはどうしても長いものに巻かれてしまいがちなのです。その説明の手助けになる心理学用語を二つほど紹介してみていきます。こうした心理学効果が自分たちにあることを意識できれば、長いものに巻かれるかことが本当にいいか選択するときに役立つでしょう。

一つは「バンドワゴン効果」というものです。
これはある人が多くの支持を受けていたり、あるものが流行っているという情報によって、さらにその効果が増幅するというものです。日本語にも「時流に乗る」と似たような意味を持つ言葉があります。これは群集心理に関する用語で、一般的には経済学用語として使われているものの、認知バイアスの一種として心理学用語としても使用されています。

そもそもバンドワゴンとは、行列のなかで先頭を走っている楽隊車のこと。日本では「勝ち馬に乗る」という言葉とほぼ同様の意味を持ちます。日本だけではなく世界中でも共通する人間が陥りがちな効果なのでしょう。

この効果を利用している具体例としては、選挙においてどこかの陣営を優勢だと発表することで、人々はその陣営にさらに投票するようになります。他の例では、ある商品をコマーシャルで人気だと広告することで、それを見た人々はさらに人気であると印象をもつことで購買意欲を引き起こします。

バンドワゴン効果は文化に関わらず人間にみな共通したものです。
ただ、初めに紹介したジョークにあるように、私たちはやや集団主義の性質を有していますから、この効果は日本人にはさらに影響があるのかもしれません。

もう一つは「代表性バイアス効果」というものです。
これは、あるものに対する初めの印象があったとき、新しい情報を知ることになった後にも、その印象をずっと引きずってしまう認知バイアスです。代表的なことが印象を決定づけ、その印象が固定されてしまうことからこのように呼ばれています、

例えば、ある商品について初めから人気の商品という印象を持ってしまうと、人気が下がったり人気が噓だったりとしたときも初めの印象をずっと引きずってしまうということです。人の脳は思考を節約・単純化したがる仕組みがあるので、代表性バイアス効果のように第一印象に頼り切ってしまうのです。また別の例ですと、新人作家が新しく本を出すときに有名作家の感想を載せることで興味深い印象を持たせる手法もこの効果をうまく利用したものといでしょう。

この効果は人の印象に影響するものなので、実際にそのときの情報が正しい必要はありません。かりに印象を持ったときに知った情報が噓だったとしても、初めに人気であるという印象を持たせてしまえばその効果が生じます。

このように、「長いものに巻かれろ」というのは心理学的な観点からしても納得がいくものなのです。また、よく経済学的にも利用されることがあります。これらは人間のルーツから遡れば当たり前の話かもしれません。目の前にいくつかの分かれ道があったときできるだけみんなが通った道を行こうとする心理と同じことなのですから。つまり、長いものに巻かれるということは、「みんながそうしているからきっといいのだろう」「みんなが大丈夫そうだから大丈夫なのだろう」と私たちに安心感を与えてくれます。

こうした、思考を節約するときの歪みは、認知バイアスと呼ばれます。バンドワゴン効果も、代表制バイアス効果も認知バイアスの一種です。私たちは自分の思うままに考えているようですが、じつは無意識にこの認知バイアスが働いて思考が歪んでいるのです。その効果を知っていないとなかなか自身の歪みに気づくことは難しいです。

確かに大抵のケースでは、長いものに巻かれることは安心かもしれません。しかし、時流の変化が激しくなってきた現在、特にビジネスパーソンに関しては、いつも大きな流れが変わってしまうか分かりません。そのとき初めの印象を引きずったままでは変化に対応し遅れてしまいます。また、ときに長いものだと嘘をついて騙そうとする悪巧みに巻きこまれるかもしれません。そのとき、私たち日本人は特にこうした傾向が強いことを理解しておけば、自分がその罠にはまったときにすぐに気づくことができます。そのためにもやはり自分の思考の癖について知っておくのは大事でしょう。

(Edited by S)

※起業時、独立時の店舗物件のご相談は倉沢涼子まで

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